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研究概要

 生物システムは,個々のプロセスおよびそれらの複合したプロセスを進化させることによって巧妙さを生み出してきました.我々の研究室では,遺伝子から細胞,組織・臓器,個体までを研究対象として, 生物システムや生命現象の巧妙さを解析するとともに,天然材料や合成材料を用いて,人工的な再構築を試みることを通して新しいバイオテクノロジーの開発を以下の4つのテーマを中心に取り組んでいます。


再生医工学

 ティッシュエンジニアリングでは,既存の組織培養にとどまらず,材料を活用するなど培養環境を人工的に整えることによって生体内に類似した組織構造体を試験管内で誘導・再構成するもので,人工臓器や移植医療の分野において再生医療工学という新しい概念を提示した.またヒトの胚性幹(ES)細胞が樹立され,ES細胞から様々な臓器・組織の形成が検討されるようになり,新しいティッシュエンジニアリング技術の開発がますます重要となっている.
 当研究室では,細胞パターニング,3次元組織構築,ES細胞の機能細胞への分化,ES細胞の新しい樹立方法について研究を行っている
 

◆九州大学臨床研究倫理審査委員会の承認を受けた研究について

筋ジストロフィ患者由来iPS細胞を用いた人工筋組織の作製と機能評価

   

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生体バイオリアクター

 抗体医薬として近年注目されているモノクローナル抗体やエリスロポイエチンなどのような医薬品タンパク質は,これまで主に組換え動物細胞培養によって生産されており,遺伝子工学や培養工学が発達した現在でも生産コストが高く,生産量も限られている.近年,トランスジェニック動物を生体バイオリアクターとして用いる方法が医薬品タンパク質の新しい生産方法として検討され始めている.
 当研究室では,トランスジェニック鳥類作製のための各種技術を開発し,卵の中に医薬品タンパク質を大量に生産するための技術を確立するとともに各種組換えタンパク質の生産を行っている

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遺伝子導入

 遺伝子治療やトランスジェニック動物作製において,細胞種特異的あるいは遺伝子配列特異的遺伝子導入法は,次世代の遺伝子導入法として開発が切望されている.  当研究室では,ウイルスベクターに用いられるエンベロープタンパク質を改変することによる,特異抗体依存的な遺伝子導入法の開発や組換え酵素を利用した配列特異的遺伝子導入法の開発を行っている.また,組換え動物細胞による物質生産において生産量を向上させるために,目的の遺伝子発現ユニットを酵素的にタンデムに染色体に多重化して組み込む,染色体上での遺伝子増幅技術の開発を行っている

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生物機能解析

 新しいティッシュエンジニアリング技術の開発においては,材料や手法の開発のみならず,成長因子などの液性因子に対する細胞応答,細胞−細胞間相互作用,細胞−細胞外マトリックス間相互作用といった生命現象を遺伝子,細胞,組織・臓器の様々なレベルで解析することが必要となっている.  当研究室では,細胞接着タンパク質の発現制御による細胞分化制御や分化機能発現メカニズムの解析を行っている.また,培養環境下での神経回路の形成を目指して,発生における神経回路形成メカニズムの解析のために経シナプス性トレーサーを発現するトランスジェニック鳥類の作製を行っている

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