Research Topics

熱エネルギー有効利用と省資源型プロセス  - CO2排出削減のために -

 エネルギー起源CO2排出削減対策の柱としてエネルギーの有効利用が挙げられています. 本研究室では,現在半分以上,無駄に捨てられている熱エネルギーや未利用エネルギーの有効活用機器,物質-エネルギー変換システムなどの開発を通してCO2排出削減に貢献できる技術の開発を目指しています.
 また,エネルギー大量消費型産業である電子デバイス製造分野に対して省エネルギー・省資源型プロセスの開発を目指しています.

研究紹介  - 蓄熱グループ・液滴グループ -

 現在,本研究室には,熱エネルギー利用機器の高性能化に関する研究を行う蓄熱グループ,インクジェット法による省エネルギープロセスの解析に関する研究を行う液滴グループがあります.

蓄熱グループ

 現在,我が国のエネルギー供給の大半は化石燃料に依存しています.しかし,このうち実際に利用できているエネルギーは3分の1程度しかなく,残りの3分の2はエネルギーロスとなっています.例えば,エネルギー消費量の多い産業分野に注目してみると,80℃以下の温排水や200℃以下の温排ガスといった低温排熱という形で,多くのエネルギーが無駄になっています.そこで当研究班では,無駄となっている温排ガスと温排水から200℃,10気圧程度の水蒸気を生成し,再び産業プロセスで使用する
「エネルギーの再利用」を行うことによって省エネルギー化,省資源化に貢献することを目的としています.低温排熱から高温高圧の水蒸気を生成する方法として,吸着熱を利用したケミカルヒートポンプを
採用し,伝熱,物質移動および流動の観点から,より良いシステムを目指した研究を行っています.

液滴グループ

 一般的に用いるインクジェットプリンタでは,微小な液滴を用紙に直接印字しています. 近年,このインクジェットによる印刷技術を有機ELといった電子デバイスの作成に応用しようと いう研究が活発に行われています.インクジェット成膜法の優れている点は既存の電子デバイス 作製法と比べ,プリンタのように電子配線や画素を直接印字することで,多くの工程を必要とせ ず,それゆえ廃棄物も少なくなるため,省エネルギー,低環境負荷が容易に実現できるというこ とです.しかしながら,インクジェット成膜法で工業的に必要とされている平坦な膜を作ること は実際には容易なことではありません.当グループではインクジェット装置やディスペンサーから 基板上に滴下された微小な液滴が成膜する際に,どのような要因で形状が決定されるかを実験 ならびに数値解析を通して明らかにすることを目的としています.

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